20代で成長できる!インフラ業界のリアルとおすすめ企業
公開日
2025.12.17

20代で成長できる!インフラ業界のリアルとおすすめ企業

インフラ業界は、人々の生活を支える基盤づくりに携われる業界です。「社会の役に立つ仕事がしたい」「大きな仕組みに関わってみたい」という学生に人気があります。

一方で、「専門知識が必要なのかな」「トラブル対応が大変そう」と不安を感じる人も少なくありません。
この記事では業界のリアルな特徴やキャリアの可能性を、就活初期でもわかりやすく紹介します。

まずは全体像をつかもう|インフラ業界とは?

インフラ業界とは、私たちの生活に欠かせない あたりまえの暮らし を支える仕事です。電気・ガス・水道・道路・鉄道・通信など、日常のどの場面にもインフラは関わっています。
スマホが使えること、夜に部屋の電気がつくこと、駅まで安全に移動できること——。
こうした日常のすべてが、インフラが安定して機能していることで成立しています。

また、生活の土台を守るだけでなく、防災対策やエネルギーの転換、スマートシティ開発など、未来の社会づくりにも直結するフィールドです。

※スマートシティの開発:
スマートシティとは、デジタル技術を駆使してエネルギーや行政サービス、交通などを効率化し、利便性を向上させる街や地域のことで、人々の生活の質を上げることを目的としています。

インフラ業界のしくみと社会での役割

インフラ業界は、電気や水を届けるだけの仕事ではありません。供給企業や自治体、専門メーカー、施工会社など、多くの組織が協力しながら社会の基盤を支える仕組みで成り立っています。こうした連携によって、私たちの生活は毎日変わらず安全に保たれています。
インフラには「安全」「安定」「持続性」が求められるため、災害時の復旧や防災対策、企業活動や公共サービスを支えるしくみの維持など、社会にとって欠かせない役割を担っています。SDGsの取り組みにも直結しており、「安全な水とトイレを世界中に」や「産業と技術革新の基盤をつくる」といった目標は、インフラ企業が日頃取り組んでいるテーマそのものです。

※SDGsの達成:
持続可能な開発目標として大きく17つの目標があります。6「安全な水とトイレを世界中に」や9「産業と技術革新の基盤をつくる」など、インフラ業界に大きく関わる目標が含まれています。

インフラ業界の職種と領域

インフラ業界には幅広い分野が含まれ、働く場所や職種もさまざまです。ここでは大きく10の分野に分けて紹介します。

① エネルギーインフラ

代表的な企業:電力供給会社、ガス供給会社、石油供給会社
職種:営業、ITエンジニア、マーケティング、製造設備管理/保守/メンテナンス、生産管理/在庫管理 など

エネルギーインフラは、電気・ガス・石油といったエネルギーを安定して届ける役割を担っています。自由化によって競争が進んだことで、生活者のニーズに合わせたサービスや料金プランの開発が求められるようになりました。一方で、再生可能エネルギーの導入や脱炭素社会づくりなど、社会課題の解決に関わる機会も増えています。


技術者による設備の設計・保守だけでなく、営業やカスタマーサポート、企画など文系が活躍できるフィールドも広くあります。エネルギーの安定供給と新しい技術の両方に挑戦できる分野です。

代表的な企業:上下水道施設設計・建設会社、水処理会社、通信事業会社
職種:営業、ITエンジニア、企画/マーケティング、水道技術管理者、電気通信施工管理技士 など

生活インフラには、安全な水を届ける水道インフラと、スマホやインターネットを支える通信インフラが含まれます。どちらも日常生活に欠かせない基盤であり、安定供給のための技術力と運用体制が求められています。


水道分野では、水処理施設の運転や設備の保守、管路の工事などを通じて安全な水を提供しています。通信分野では、基地局や光通信網の整備、ネットワーク設備の構築など、社会のデジタル化を支える重要な役割があります。5Gや光通信などの新技術に関わる機会も多く、エンジニアだけでなく営業やサポート職も幅広く活躍しています。

代表的な企業:鉄道会社、航空会社、バス運行会社、道路関連企業
職種:乗務員(車掌・運転手・パイロット・CAなど)、整備士、運行管理、駅や空港の職員 など

人や物を運ぶ交通インフラも、エネルギーインフラや生活インフラと同じように人々の暮らしを支える欠かせない社会の基盤です。車掌や運転手、パイロット、CAなどの専門職は子どもの頃から憧れる人が多い職種でもあります。


道路関連企業には、管理会社や舗装会社、建築会社などが含まれます。一年を通して、人々の安全・安心と利便性を守るために尽力しており、交通インフラの分野では、顧客とのコミュニケーションが求められる場面も多く、ホスピタリティが生かされる仕事です。

代表的な企業:運輸会社航、税関
職種:ドライバー、物流企画・管理、倉庫作業員、通関士、税関職員 など

物流インフラは、トラック・鉄道・船舶・航空などを使って人と物を安全・確実に運ぶ社会の基盤です。輸配送だけでなく、倉庫での保管、在庫管理、輸送ルートの最適化など、多くの専門業務によって支えられています。EC市場の拡大に伴い、AI・IoTを活用した効率化や自動化の取り組みも進んでいます。


国際物流では、通関士が貿易のルールに沿って手続きを行う重要な役割を担います。また、税関は国家公務員組織であり、物流企業ではないものの、国境を越える物流を安全に行うための審査・取り締まりを行う、社会インフラとして重要な存在です。貿易の安心・安全を守る公共的な役割を果たしている点が特徴です。

代表的な企業:施設管理会社、建設会社、湾岸施設の維持管理会社
職種:施設管理、建設コンサルタント、維持管理士 など

空間インフラの分野には、学校や図書館、公民館などの公共施設や河川や橋梁などの湾岸施設に関わる仕事があります。人々が快適に生活できる環境を支える仕事であり、利用者への思いやりやホスピタリティがやりがいにつながります。


公共施設の管理は、自治体から委託を受けた企業が担当しており、空調や防災設備などの管理・保守、清掃などを通じて、快適に施設を利用できる環境を整えています。


湾岸施設の維持管理では、港湾構造物の点検や防波堤の補修、維持管理などの業務があります。また湾岸施設の運営や維持管理計画に関するコンサルティング業務もあります。

代表的な企業:環境プラントメーカー、廃棄物処理会社、リサイクル事業会社
職種:設備管理、運転管理、環境コンサルタント、研究開発 など

環境インフラは、ごみ処理やリサイクルを通じて循環型社会を支える分野です。焼却施設やリサイクルプラントの運営、分別・再資源化の仕組みづくりなど、社会全体の環境負荷を減らす重要な役割があります。


施設の運転管理や設備保守のほか、新しい処理技術の導入や環境改善に向けたコンサルティングなど、幅広い職種が存在します。SDGsの達成に向けて需要が高まっている分野でもあります。

代表的な企業:通信キャリア、データセンター運営企業、クラウドサービス企業
職種:ネットワークエンジニア、システム運用、セキュリティエンジニア、企画 など

IT・情報インフラは、インターネットやクラウドサービスを安定して使えるように支えるデジタル社会の基盤です。データセンターの運用や通信ネットワークの管理など、現代の生活に不可欠なシステムを扱います。


DXやAIの進展に伴い、セキュリティ対策や新技術の導入など、最先端分野に関わる機会も多くあります。文系・理系ともに活躍のチャンスがある、注目度の高いインフラ領域です。

代表的な企業:決済サービス企業、銀行システム会社、金融インフラ企業
職種:システム企画、FinTechエンジニア、データ分析、リスク管理 など

金融・決済インフラは、お金の流れを安全かつスムーズに動かすための仕組みづくりを担う分野です。キャッシュレス決済や銀行間送金、ATMネットワークなど、社会の経済活動を支える基盤となっています。


金融とITを組み合わせたFinTech領域も拡大しており、システム開発やセキュリティ管理、データ分析など、専門性を活かして働ける場が広がっています。

代表的な企業:医療機器メーカー、学校運営支援企業、教育ICT企業
職種:医療機器保守、ICT支援員、施設管理、企画・サポート業務 など

医療・教育インフラは、病院や学校など、人々の生活に欠かせない社会基盤を支える分野です。医療機器の保守・点検、学校設備の運用、学習ツールのICT化支援など、安全で質の高いサービスを届けるための業務を担います。


少子高齢化や教育DXが進む中で、ICT技術を活用した新たな取り組みも増えており、今後さらにニーズが高まる領域です。

代表的な企業:建設コンサルタント、河川管理会社、公共インフラ維持管理企業
職種:土木技術者、点検・保守、設備管理、防災コンサルタント など

防災・治水インフラは、大雨や台風、地震などの自然災害から街を守るための基盤を整える分野です。河川やダムの管理、堤防の補修、洪水対策設備の点検など、地域の安全に直結する業務を担っています。


災害が多い日本では特に重要性が高く、長期的に安定したニーズがある領域です。公共性が高いため、社会貢献を実感しやすい仕事としても評価されています。

インフラ業界の就活生が抱きやすいイメージと実際のギャップ

インフラ業界に「トラブル対応が大変そう」「保守的なのでは?」といったイメージを持つ学生もいます。
ライフラインを扱う以上、緊急対応が発生する可能性はありますが、実際にはチームで連携して対応する体制を整えている企業も多く、個人が一人で抱え込む場面ばかりではありません。
ただし、企業によって制度や文化は異なるため、説明会などで確認することが大切です。

また、「安心・安全・確実」を重視する文化がある一方で、近年は環境配慮やスマートシティといった新技術を取り入れる取り組みも進んでいます。
気になる点がある場合は、「緊急時の対応体制はどうなっていますか?」「若手の意見が反映される場面はありますか?」
といった質問をしてみると、その企業の風土が具体的に見えてきます。

インフラ業界で身につく3つのスキル

インフラ業界では専門的な知識や技術が求められる場面が多く、スペシャリストとしてのスキルを磨くことができます。
ここでは、インフラ業界で身につく代表的なスキルを3つ紹介します。

● 専門知識
インフラ業界では、電気・通信・上下水道・交通といった社会が動く仕組みそのものを理解する知識が身につきます。
例えば、設備の安全性や供給の仕組みを学ぶことで、「社会を止めないために何が必要か」が自然とわかるようになるでしょう。

● 法的知識
インフラ業界の仕事には法律に則った業務も多くあり、法律に関する知識が身につきます。ライフラインの提供やサービス運営に関わる法律、各種安全規制などの知識は、プロジェクトを進める上で必須になります。

● プロジェクト管理力
大規模な工事や長期プロジェクトを扱う企業では計画立案や進捗管理といった管理体制が整っている企業が多く、予算やコスト管理力が養われます。また緊急時でも冷静に判断し対応する力も身につきます。

インフラ業界に合っている人の特徴

「自分はこの業界に向いているのかな?」そう感じている人もいるかもしれません。ここでは、インフラ業界で活躍している人に共通する特徴を3つ紹介します。

①社会を支える責任感にやりがいを感じる人
インフラの仕事は、人々の日常生活や経済活動を支える責任ある仕事です。「自分の仕事が誰かの安全や快適な暮らしを守っている」という実感を持ちながら働けることが、この業界の大きな魅力になります。派手さはなくても、人の暮らしを支えることにやりがいを感じられる人は、この業界で力を発揮しやすいタイプです。

②ルールや安全基準を大切にできる人
インフラ業界では、人々の安全を守るために法律や規則に従って業務を進めることが欠かせません。決められた手順を正確に守ることが、事故防止や品質確保につながります。こうした基準を意識しながら、丁寧かつ着実に仕事を進められる人は、インフラ業界で力を発揮しやすいタイプです。

③長期的な視点で物事を考えられる人
インフラは、一度整備すると何十年も使い続ける設備やサービスが多くあります。そのため、目先の成果だけでなく「10年後、20年後にどうなるか」を見据えながら計画を立てる力が大切です。長期的な視点でじっくり取り組みたい人にとって、大きなやりがいを感じられる業界です。

インフラ業界が向き合う社会課題

近年、日本では大雨や地震が頻繁に発生し、道路の通行止めや断水といった被害を目にすることが増えました。こうした背景には、社会インフラの老朽化という大きな課題があります。
私たちが日常的に使っている道路・橋・水道管の多くは、50年以上前につくられたもので、今まさに更新の時期を迎えています。この状況を改善するため、点検技術の高度化や、AI・ドローンによる効率的な維持管理が進んでいます。

一方で、脱炭素というもう一つの大きなテーマにも向き合っています。電力業界では再生可能エネルギーの活用拡大や送電網のスマート化が進み、ガス業界でも水素エネルギーの導入など新しい取り組みが始まっています。

若手を応援するインフラ業界会社のご紹介
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ここが知りたい|インフラ業界のよくあるQ&A

インフラ業界は、私たちの生活を支える社会性の高い仕事である一方、
「緊急対応が多そう」「理系でないと難しそう」といったイメージを持たれやすい業界でもあります。

そのため、説明会やインターンでは「なんとなくの印象」で判断せず、
具体的な業務内容や働き方について確認しておくことが、ミスマッチを防ぐポイントになります。

以下では、インフラ業界に興味を持つ学生からよく聞かれる不安とあわせて、
説明会で確認しておきたい先回り質問を紹介します。

Q. 緊急時の対応ができるか不安です。
A. インフラ業界はライフラインを支える仕事のため、職種や企業によってはシフト制で勤務することがあります。緊急対応が発生する可能性もありますが、通常業務は計画的に進められるケースが多く、チームで連携しながら休暇を調整する仕組みを整えている企業もあります。実際の勤務体制は企業ごとに異なるため、説明会で確認するのがおすすめです。

※先回り質問は、説明会やインターンで、事前に自分の疑問を解消するための具体的な質問をすること。
ギャップを防ぎ、企業の実態を明確にするために有効です。

Q. 文系でも活躍できる職種はありますか?
A. 技術職のイメージが強い業界ですが、営業や企画、マーケティング、顧客対応など文系学生が活躍できる分野も多くあります。社内外の関係者と連携をとりながら進める仕事では、コミュニケーション力や調整力といった文系学生ならではの強みが発揮できます。
Q. 古い体質・保守的な社風が強い?
A. インフラ業界は公共性が高く、歴史の長い企業が多いため、保守的なイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし近年では、環境に配慮したプロジェクトやスマートシティ開発、SDGs達成に向けた取り組みなど、新しい技術や発想を積極的に取り入れる動きが進んでいます。若手社員の意見を聞く場を設ける企業も見られ、世代に関わらず挑戦できる風土づくりに取り組む動きも出てきています。実際、どのような取り組みがあるかは企業によって大きく異なるので、説明会や社員インタビューで実際の雰囲気を確かめてみましょう。

まとめ

人々の安全な暮らしや経済活動を支えるサービスを提供するインフラ業界には、顧客対応から国際的な事業まで多岐にわたる分野が広がっています。専門職や技術職が活躍するイメージを持つ人も多いですが、実はコミュニケーション能力や調整能力など、文系だからこそ活かせるスキルを伸ばせる領域も多くあります。

インフラ業界に属する企業は多岐にわたり、それぞれが異なる強みや経営理念を持っています。自分の得意分野や興味に合った企業を見つけ、社会を支える一員としてのキャリアを考えてみましょう。

LINE はてぶ
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